猫も杓子も。

わかりあえない、なんて知ってるわ。

葉桜が揺れる季節に。

 
 
 
4月。と言えば、生活が新たになる季節。
 
私はまだ学生だし社会人のこととかはわからないけど、学生なら進学先の新しい学校に、新たなクラスに、ちょっと難しくなる授業にわくわくするはず。はず……。
 
あと、新入生なら部活やサークル何入ろうかなって、考えるだけで楽しくなる季節。
 
授業が始まってまだ3日で、構内で新入生を見かけるけど、ほんと初々しい感じがする。
 
多分、私もそうだった。
 
今回は、2年前じゃなくて、5年前の話。
 
 
 
 
5年前と言えば、私が高校に進学した年。
 
……まじか。もう5年も経ったのか。
 
時が経つのが早すぎる。
 
こんな感じで死ぬまで進んでいくのか……。
 
兎に角、5年前に高校に入学したわけ。
 
あのときは部活何しようかだいたい絞り込んでた。
 
中学からのソフトテニス
 
袴かっこよすぎの弓道
 
高校生になったらあるあるの軽音。
 
多分どこにでもあると思うけど、この時期は仮入部期間で見学とか体験させてくれてた。
 
弓道の面白い話はないし今回のとは関係ないから割愛。
 
問題は、軽音の見学。
 
これには、一緒の中学の友達に付いてきてもらった。
 
場所は音楽室。私のクラスも友達のクラスもすぐそばに渡り廊下(隣のクラスだったから同じもの)があってそこを渡ればあんなことにならなかったものの、なぜか遠い方の渡り廊下を通って別校舎に行ってしまった。
 
遠回りをしたせいで、私たちは3年生の教室の前を通ることになった。
 
突き当たりの音楽室まであと少し……、てところで声をかけられた。
 
吹奏楽部だった。
 
興味ないよって面倒くさかった。
 
軽音見たいんで後で行きますね、とか何とか言って切り抜けた。
 
で軽音を見る。が、思っていたのと全然違う。
 
中でバンドが演奏していて、その前で結構な人たちが見ていたんだけど、みんな頭振ってるのね。
 
これ見てなんかいやになったからほんとすぐ出た。
 
そんで別に行かなくてもいいのに律儀にさっき誘われた吹奏楽部の見学へ。
 
さっきのが来た!って結構喜ばれた気がしないでもない。
 
何か楽器をやらせてもらえるみたいで、友達はTpと、もう一人は忘れた。
 
私はというと、Tuにした。なぜかというと、どの楽器にするか決めかねているところに横から「チューバチューバ」と言ってくる先輩がいたからで、もし「サックス」だと言われてたらそっちに行っていたと思う。
 
ちょっと違うかもしれないけどだいたいそんな感じ。
 
実は、小学生の時に1回金管クラブの体験に行ったことがあって、でもその時はマウスピースから音がでなかった。
 
久しぶりにマウスピースを見たこの時に、このことを思い出して、「あ……」って思った。
 
けど、ちゃんと教えてくれたおかげで音が出て、なんかもう嬉しくなった。
 
楽器にマウスピースつけて、音階やった気がする。
 
今まで音楽は嫌いだったけど、こんなに楽しいものなのかって衝撃を受けて、入部届けに「ソフトテニス」って書いていたのを消して、ほんと出す直前に「吹奏楽」に書き換えてそのまま音楽室へ向かった。
 
ほかにも要因があるけど、ほとんど勢いでこの世界に入ってきた。
 
でも、入部したら冷静になった。よく考えたら私は楽譜が読めないことを思い出して、少し萎えた。
 
結局、一人で譜読みができるようになるまで一年以上はかかった気がする。
 
今でもちょっと複雑なのを見ると無理だ―てなる。
 
入部後、夏の定演後に辞めるかと思いつつ、なんだかんだ、いろいろあって、3年の夏休みに引退した。
 
今もサークルで吹奏楽を続けてるけど、なかなか上達しなくて、練習が週一なのは仕方ないかもしれないんだけど、毎日楽器吹いてた高校時代が懐かしい。