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猫も杓子も。

わかりあえない、なんて知ってるわ。

憧れのイングランド。

 
 
 
去年の秋くらいに紹介された『アイヴァンホー』の上下巻をやっと読み終えた。
 
ざっと3か月半。
 
上巻なんてすでにほとんど頭から抜け落ちてしまっているけど、なんとか書こうと思う。
 
 
 
武勇並びなき騎士アイヴァンホーとロウィーナ姫とのロマンスを中心に、獅子王リチャードが変装した黒衣の騎士や義賊ロビンフッドが縦横に活躍する痛快無比の歴史小説。(上巻表紙)

 

 

 

 

Sir Walter Scott

 

作者はサー・ウォルター・スコット

 

1771年に、スコットランド首都エディンバラ生まれ。

 

生後18か月~1777年までは病気のためボーダー地方で過ごした。

 

この時、祖年の武勇伝や古来からのバラッドなどの伝説や物語などにたくさん触れたことで、過去に対するロマンティックな憧れを抱かせた。

 

このことが、のちにスコットを歴史小説家に仕立てたといっても過言ではない。

 

エディンバラ大学で法律を学び卒業したスコットは当初、法律弁護士をしつつバラッド研究に打ち込んでいた。

 

1802年から1803年にかけて刊行した『スコットランド・ボーダー地方バラッド集』を皮切りに、以後詩人として詩集を次々に出した。

 

しかしその後、友人の出版会社が経営悪化したため救済のためにスコットは歴史小説『ウェイヴァリー(Waverler)』を刊行した。

 

以後、スコットは歴史小説家に転身した。

 

『ウェイヴァリー』以降、1819年までは比較的近い過去のスコットランドを描いていた。

 

その流れを変えたのが、中世イングランドを舞台とした『アイヴァンホー(Ivanhoe)』だった。

 

この小説を刊行した1820年に、スコットはジョージⅣ世から「サー(Sir)」の称号を与えられた。

 

 

 

 

背景とあらすじ

西洋史全然知らないので、間違っていてもスルーしといて。

 

舞台は中世イングランド

 

リチャードⅠ世、別名獅子心王の治世。

 

ただ、第三回十字軍遠征を、フランス王フィリップⅡ世と神聖ローマ皇帝フリードリヒⅠ世(赤髭王)*1とともにおこなうためにエルサレムにいたため、イングランドは弟のジョンが代わりに治めていた。

 

ちなみに、この弟ジョンは決地王とか失地王とか呼ばれていて、さらには教皇インノケンティウスⅢ世に破門にされるなど、なかなかひどい人。

 

そのため以降、「ジョン」という王は現れてはいない。

 

マグナ・カルタを認めたのだけが唯一の功績。

 

そういう時期のイングランドの話。

 

この小説は3つに分けられると思う。

 

1.馬上試合

2.籠城戦

3.裁判

 

馬上試合でアイヴァンホーがギルベールと戦ったり、ロウィーナ姫とレベッカたちが幽閉されたりする。そして、

 

黒衣の騎士たちの奮戦で囚われの人々は救出された。だが、傷ついたアイヴァンホーを献身的に介抱してくれたユダヤ人の美少女レベッカだけは、敵に拉致され、魔女として処刑されようとしている。アイヴァンホーは彼女を救い出すために決闘に臨む。(下巻表紙)

 

適当っぽいけど、これでほとんどカバーしている。

 

下巻表紙のあらすじ便利すぎる……。

 

 

 

 

イングランドという国家の成立の過程を描いたこの作品が、スコットランド人であるスコットによって書かれたというのは興味深い事実

 

米本(2011) pp.263

 

イングランドの人々に国民としてのアイデンティティを再確認させようとしたのである。これは文学作品によるスコットランドからイングランドへの文化的侵略の試みであり、そこには中心と周縁の逆転が見られる。

 

同上

 

簡単に感想

 

とにかく長い。

 

岩波文庫で上下巻、計約800頁くらい。

 

その上、文字が異様に小さいし、なんか薄い。

 

わたしは騎士道ってあんまりよく知らないんだけど、おそらく「騎士道」がまんべんに散りばめられている。

 

あと、勧善懲悪っぽくて、そうゆうのが好きな人はぐいぐい読めるかも。

 

 

 

 

 


アイヴァンホー アッペルモント

 

 

*米本弘一(2011)「スコットランドの歴史と語り部 -物語詩と歴史小説の展開ー」木村正俊 編『スコットランド文学 その流れと本質』

*1:ただし、赤髭王は行軍中に死亡した。