顔も思い出せない。
お見合いサイトで彼氏を見つけた。
なんかあまりにも、あっさり手に入ってしまった。
ネットで買い物するみたいに、あっさりと、ワンクリックで。
本当にこんな出会い方でいいのだろうか。
彼にとっても、私はあっさり手に入ってしまった女ってことになるのだろうか。
このまま、とんとん拍子でことは進み、七海と鉄也は結婚をした。
けど、上手くいかずに。
このあと、結局二人は離婚をする。
家を飛び出し、知らない街を彷徨ったあと、結婚代行サービスで知り合った安室(綾野剛)を頼り、その紹介で真白(Cocco)と暮らすことになる七海。
鉄也との間にあったSNSは、真白との間には存在しない。
七海と真白とは、リアルな関係にあって、七海は、徐々に地に足をつけていく。
離婚の時に後腐れなかった七海は、真白の死の際には、大声をあげて泣く、泣く。
その後、七海は新しくアパートを借り、安室から家具を譲ってもらうシーンがあるんだけど、このときの七海は、あのとき、控えめに手を上げていた七海とは違う。
安室との別れ際に、大声で「ありがとうございました!」を叫ぶ。
そして、七海がベランダで青空を臨んで映画は終わる。
小説だと、結婚と同時に辞めた(というか、契約を切られた)派遣教師の職が、再び舞い込んでくるシーンがラストにある。
「リップヴァンウィンクル」て、アメリカ版浦島物語らしい。
しばらく、非日常の世界で生きていた七海は、再び舞い込んできた派遣の仕事で、現実に帰ってきた気がする。
七海=リップヴァンウィンクルなのか。
でも、観た感じ七海=リップヴァンウィンクルの花嫁て気もする。
*1:この人が、紆余曲折を経て、大膳寮の厨司長になった。