誤解。
2か月くらい前に読んだ本、『読んでいない本について堂々と語る方法』。
うちの某教授が猛プッシュしていたので読んだ。
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「読書」をめぐる暗黙の三つの規範(pp.5-6)
①読書義務―神聖化
②通読義務―飛ばし読み×流し読み×
③本について語ること―読んでいなければ語れない
よく聞くやつ。
「本を読め」とか。
「最初から最後まで読まなければならない」とか。
私は、読書記録をノートにとっているけど、記録するのは、(一応)最初から最後まで読んだ本だけ。
だから、私もこの規範にとらわれていることになる。
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<共有図書館>の重要性(pp.25-26)
<共有図書館>:ある時点で、ある文化の方向性を決定づけている一連の重要書の全体もこと
これを把握さえしていれば、読んでいないことは障害にならない。
また、書物の各要素を他の要素との関係で位置づけることができることが、教養であるとも述べる。
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<遮蔽幕としての書物>(pp.63-65)
私たちが語るのは、<遮蔽幕としての書物>である。
これは、現実の書物とは関係がない。
あなたのなか、私のなかにある、不確かなイメージを基に、書物について語っている。
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本を語るときの心構え(第三章)
①気後れしない
②自分の考えを押し付ける
→本は物質的に変化しないが<共有図書館>の要素としては変容を蒙る。
③本をでっちあげる
④自分自身について語る
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とても薄い本なので、気になった人はぜひ。
院の哲学専門の准教授も薦めているので。
ピエール・バイヤール 著、大浦康介 訳(2008)『読んでいない本について堂々と語る方法』筑摩書房